血液豊胸のデメリットとは?詳しい仕組みや注意点など解説
血液豊胸とは
血液胸はPPP(Platelet Poor Plasma)を用いた豊胸術です。
血小板の少ない血漿(PPP)は、凝血学の定義では血小板の数が1マイクロリットル当たり10,000個となる血漿ですが、美容外科の分野では血小板数の少ない血漿として用いられています。
参考:血小板が少ない血漿
血液豊胸のしくみ
PPPジェル豊胸はPPPを加熱してゲル化したものをバストに注入する豊胸方法です。
この豊胸の類似の豊胸としてPRP豊胸があります。
PRP豊胸とPPPジェル豊胸を併せて、献血豊胸と呼びます。
PRP豊胸はPPPゲルの代わりに、血小板の多い血漿を用いますが、PPPジェル豊胸と違い、加熱はしません。
PPPジェル豊胸では血小板の少ない血漿を用いるので、加熱しているので、血漿中の生理活性物質をすべて不活性化しています。
また、血小板由来の成長因子は豊胸溶液にはほぼ存在しません。
したがって、ヒアルロン酸と同じで、バストの組織を増殖させず、注入されたPPPゲルの体積だけで、豊胸効果を発揮します。
PPPゲルは熱変性した血漿タンパク質なので、バストの組織の細胞、細網内皮系の貪食細胞などにより消化、分解され、2週間から2カ月以内に無くなります。
したがって、PPPゲルによる豊胸効果は一時的で半永久的なものではありません。
血液豊胸を行っているのは、現在、「銀座ゼロクリニック」であるので、我々の調査した結果に基づき、解説します。
ゼロクリニックでは、血液を採取して、無細胞プラズマジェルを作成しています。
ゼロクリニックのホームページから以下を抜粋します。
無細胞プラズマジェル
血液を採取し、遠心分離機にかけてしこりの原因となる血小板(血液に含まれる細胞成分の一種)を完全に抜きとります。
従来の方法では、自己血から遠心分離で抽出したPPPジェルと呼ばれる素材に否めませんでしたが、当院では、更に無細胞化させた無細胞プラズマジェルをすることでしこりの原因を回避しております。
また、術後のしぼみのリスクを回避するため、当院では無細胞プラズマジェルに加えて成長因子、栄養剤、カルシウム製剤等を組み合わせております。
更に定着率の向上を図り、上記の組合せにとろみをつける効果のある当院独自の補強材を加えることで、体内への吸収率を抑え、またお胸自体の若返りやハリの効果が期待出来ます。
補強材は、元々人の体に存在するゼリー状の物質ですので人体への害はほとんどありません。
この文章の一部(二重下線部分)は理解不能ですが、無細胞プラズマジェルのホームページの以下の文章、
当院では、しこり発生の原因となるPPP(乏血小板血漿)ジェルは一切使用せず、採取した血液から細胞成分を除去した「無細胞プラズマジェル」を使用しております。
そのため、術後にしこりができることはなく非常に柔らかく美しいバストが完成します。
脂肪注入(コンデンスリッチファットCRF等)などの豊胸手術では、「脂肪吸引を行うこと」が大前提ですが、血液豊胸の場合は「採血だけで済む」ため、身体的負担が非常に少ないことも特徴です。
から考えて、血漿に混入する血小板が豊胸の際のしこりの原因になると考えているようです。
PRP+FGF(線維芽細胞成長因子)でしこりができるので、無細胞プラズマジェルという言葉を使い、血小板は入っていないですよとアピールしているものと思います。
少し、血漿に血小板が入っているPPPジェルでも、しこりができることはありません。
「無細胞」という言葉にはまったく意味がないといわざるを得ません。
我々の調査では、ゼロクリニックの血液豊胸の同意書には、ヒアルロン酸の記載があります。
これは、血液豊胸溶液にヒアルロン酸が入っていることを示していますが、ヒアルロン酸を豊胸に使う際のヒアルロン酸豊胸の同意書の体裁ではなく、血液豊胸の同意書に、血液豊胸でヒアルロン酸を使用するだけの記載になっています。
ヒアルロン酸豊胸の合併症については何も触れておりません。
ホームページの記載から、血液豊胸溶液には、成長因子、栄養剤、カルシウムなどが加えられていることになっていますが、ヒアルロン酸が豊胸溶液に含まれることは書いてありません。
我々の調査に協力してくださった血液豊胸を受けた方では、しこりが発生した方が見えました。
このしこりに超音波ガイド下、ヒアルロニダーゼを注入したところ、しこりは縮小し、触診で蝕知できなくなりました。
この結果から豊胸後のしこりは、ヒアルロン酸によるものと考えられました。
また、多くの方で、血液豊胸の効果がなく、施術後2週間で、豊胸効果がなくなりました。
「当院が血液豊胸をおすすめする理由」では、美辞麗句が並べられていますが、これらを一つ一つ、吟味してゆきます。
まず、最初に「自然な仕上がり」について。
シリコン挿入や脂肪移植など「胸に何らかのカタマリを移植して残す」ような豊胸手術は時間と共に固くなるケースが発生します。
しかし血液豊胸は「自分の脂肪を膨らませる」豊胸技術なので、触った時の感触に違和感がありません。
凹凸やしこりがなく、ふわふわで柔らかいので、寝ころんだ際や揺れた時も自然な胸と同様の動きや形をするため、限りなく自然な仕上がりです。
では、血液豊胸は「自分の脂肪を膨らませる」豊胸技術と書いてありますが、PPPゲルに脂肪増殖作用はありません。
成長因子にも明確な脂肪組織増加作用はありませんし、あってもわずかなもので、成長因子単体では、臨床応用されていません。
なぜなら、線維芽細胞成長因子で脂肪組織を増加させることが事実として見出されていなかった。
誰もそれをやっていなかったわけでなく、先行技術では、線維芽細胞成長因子とPRPで脂肪組織を増加させると主張していたが、効果はほぼ認められませんでした。
なので、クリニックビユーティー恵比寿の脂肪再生豊胸の基本技術である線維芽細胞成長因子、脂肪乳剤、血漿の組み合わせが特許化されています。
言い換えれば、成長因子(過去のゼロクリニックのホームページには腺維芽細胞成長因子と書かれており、わが国では、入手でき、人体に投与できるのは科研製薬の腺維芽細胞成長因子です。)で脂肪組織が大幅に増加するのであれば、すでに、公知になっており、クリニックビユーティー恵比寿の脂肪再生豊胸の基本技術は特許化されなかったでしょう。
したがって、血液豊胸は「自分の脂肪を膨らませる」豊胸技術である根拠は全くありません。
次に「傷跡が残らない」を吟味します。
メスを使って切開をしたり脂肪吸引をせず、脇下の1ヶ所に針穴程度のサイズで注射するため、傷跡が残ることはありません。
また、温泉やエステなど胸の露出があるシーンでもバレることはありません。
とホームページにかかれています。
最近、血液豊胸を受けた患者様では、術後2週間を経ても、傷口が明らかにわかる方が大多数ですので、傷跡が残らないかは不明です。
血液豊胸では「長期間の定着率」として、以下の説明をしています。
採取した血液を特殊加工して注入するため、注入量に比例してサイズアップすることが出来ます。
また注入後のしぼみを回避するため、当院独自の補強材を使用することで長期的な定着率を可能にします。
補強材は、元々人の体内に存在する成分を用いているため、安全性にも優れており、ヒアルロン酸や脂肪を使った豊胸術のように時間経過とともに体内に吸収されることがなく、長期的な定着率を実現します。
ここで言う「当院独自の補強材」とはいったい何でしょう?ヒアルロン酸のことでしょうか?
「当院独自の補強材」がヒアルロン酸であるなら、豊胸効果をヒアルロン酸に依存しており、ヒアルロン酸豊胸と言うべきものです。
参考:銀座ゼロクリニック
豊胸失敗を成功に変えるために読むサイト「豊胸失敗を成功に変えるために読むサイト」では、脂肪再生豊胸の基本技術の解説を行っており、その中で、PPPゲル、成長因子、脂肪乳剤と組み合わせと、加熱しない血漿、成長因子、脂肪乳剤と組み合わせを豊胸効果で比較しています。
前出の図では、PPPゲル、成長因子、脂肪乳剤を使用した1回目から3回目の豊胸では豊胸効果はほぼゼロです。一方、非加熱の血漿、成長因子、脂肪乳剤を用いた7回目、8回目の施術では、豊胸効果は1回あたり3.2cmと4.4cmでした。
我々のデータでは、PPPゲル、成長因子、脂肪乳剤を使用しても豊胸効果は求められませんでした。
また、ゼロクリニックは血液豊胸を「バレない」として、以下をホームページに記載しています。
術後の授乳やマンモグラフィーなどの乳がん検診、MRIやCT検査なども問題なく受けることができます。
また、体型の変化や加齢によって不自然に見えてしまうというような心配もありません。
PPPゲルは超音波断層法により確認できますので、正確に言うなら、数か月後に検査してもばれないということになりますが、数か月後には、豊胸効果が見られない方も見えます、 最もゼロクリニックの不謹慎なところは、南クリニックでも同じですが、施術前後で、バストの超音波断層検査をしないところです。
血液豊胸についてのQ&A
Q. 痛みはあるのか
A. 施術時の痛みは、ヒアルロン酸を与しているためか、待合で「先生、痛い」と言うのが聞こ え、施術を待っているときに不安になるそうです。
施術待合はプライバシーに配慮されず、会話が筒抜けです。
クリニックプライバシー配慮では、5点満点で評価すると、1点です。
なぜか、ホームページの写真には3台ものカメラが映っています。
何を撮ろうとしているのでしょうか?
Q. ダウンタイムはどのくらいか
A. 血液豊胸は注射のみの施術ですので、ダウンタイムは1~3週間ほどだそうですが、その時にはバストがほぼ元の状態になっています。
Q. 寿命はどの程度か
A. PPPゲルを用いる血液豊胸では豊胸効果が見られませんので、豊胸効果の寿命は議論できません。
Q. 2カップ以上のバストアップも可能か
A. TRIBEAUで症例が全く提示されていないので血液豊胸の豊胸効果は提示できないののかもしれません。
Q. しこり化や発がんリスクは
A. 我々の調査結果では、血液豊胸ではヒアルロン酸を使用した場合、しこりになることがあります。
最後に施術の瑕疵を見抜くために
豊胸接術で使用する薬剤についてすべてが同意書に書いてあり、それらについて医師から説明を受けたかが重要です。
ホームページの記載と、違う内容が書かれている場合は、署名しない勇気を持ちましょう。
複数回の施術は、安くするからと言われても、契約しないようにしましょう。
施術前に医師に使用する薬剤をすべて聞き、同意書と違う場合は、キャンセル料を取らないことを約束してもらいましょう。