ヒアルロン酸豊胸って硬くなる?起こりうるデメリット・リスク

ヒアルロン酸豊胸には、豊胸手術の中でもダウンタイムが少ない・手術時間が短い・理想のバストに成形できるなどの多くのメリットがあります。
しかし、実際にヒアルロン酸豊胸を受けた方の意見の中には「胸が硬くなってしまった」というものも存在します。
メリットが多いと言われるヒアルロン酸豊胸にも、リスクが存在するのです。
体内に注入されるヒアルロン酸は大きく分けて、化学的な架橋を施されているものとそうでないものがあります。
その架橋の程度により、体内に注入されたときの消失の速さが違い、架橋されていないものは、体内注入後に、速やかに分解、排泄されます。
豊胸に非架橋ヒアルロン酸豊胸を用いると1週間くらいで、豊胸効果がなくなります。
また、100%近く、ヒアルロン酸分子を架橋してしまうと、体内に注入しても、全く、吸収されません。
吸収されないヒアルロン酸を豊胸に使用すると、ヒアルロン酸周囲に被膜ができ、被膜が収縮して、バストが変形します。
10年ほど前には、ヒアルロン酸豊胸によりバストが変形した患者様が時折、見受けられました。
ヒアルロン酸豊胸は日本でしか行われていません。
欧米では、ヒアルロン酸豊胸は政府規制機関より承認されていなく、医学的には、例外的な豊胸施術です。
ここでは、比較的架橋の少ないヒアルロン酸を使用した豊胸でのリスクやデメリットについて詳しく説明いたしましょう。
絶対的なヒアルロン酸豊胸のデメリットは、ヒアルロン酸豊胸を受けて、たとえ、超音波断層法でヒアルロン酸がバストに確認できない場合でも、ヒアルロン酸の組織化が起こり、バストの進展性が悪くなります。
当然、超音波断層法でヒアルロン酸がバストに確認できる場合では、言うまでもありません。
ヒアルロン酸豊胸で胸が硬くなる?
そもそもヒアルロン酸豊胸によってバストアップした胸は、初めて豊胸手術を受ける方が想像するよりも硬い触り心地になります。
ヒアルロン酸は固体なので液体のように組織に馴染んで、注入されます。
固体なので、組織を引き裂いて、注入されます。
したがって、ヒアルロン酸注入時には局所麻酔が必要です。
ヒアルロン酸は液体なので、柔らかい触り心地になるはずだと考えている方は特に、問題のない術後の触り心地にも、違和感を必ず感じられるでしょう。
確かに、アンチエイジングのために顔に注入されるヒアルロン酸は液状に近いものですが、固体です。
したがって、豊胸に使用されるヒアルロン酸はシリコンジェルのような固体なのです。
しかし、場合によっては、一般的なヒアルロン酸豊胸の触り心地よりも、より胸が硬い仕上がりになってしまうこともあります。
ここからは、ヒアルロン酸豊胸をした胸が硬くなり過ぎてしまう原因を紹介しましょう。
ヒアルロン酸を皮下に注入してしまっている
先ほどもお伝えしたように、ヒアルロン酸そのものは固体なので、通常はその素材の硬さをカバーするために、乳腺下、または大胸筋内にヒアルロン酸を注入します。
しかし、技術不足や手術中の問題で、皮下のすぐ下にヒアルロン酸が注入される事例があります。
その場合、ヒアルロン酸の素材の硬さがそのまま、胸の触り心地になってしまうのです。
元の胸が小さかった
元の胸が小さい方は、胸に脂肪があまりついていません。
ヒアルロン酸の上に乗るはずの脂肪が薄ければ、素材の硬さをカバーすることが難しく、ヒアルロン酸の硬さを感じやすくなるでしょう。
特に痩せ型で、脂肪注入ができずにヒアルロン酸豊胸を選ぶ場合、その硬さについては医師に十分な確認が必要になります。
ヒアルロン酸豊胸で硬くなる以外のデメリットとリスクとは?
ヒアルロン酸豊胸のデメリットやリスクは、胸が硬くなってしまうこと以外にも存在します。
こちらで説明する全てのデメリットとリスクを確認しておきましょう。
しこりができることがある
しこりは、ヒアルロン酸豊胸の硬さ以外のデメリットの代表的なものだと言えます。
できてしまったしこりは、マッサージや注射で溶かせる場合もありますが、バストを切開して摘出しなくてはいけない事例も少なくありません。
しこりを甘く見ることは、非常に危険だと言えるでしょう。
ここからは、ヒアルロン酸豊胸でしこりができてしまう原因を説明します。
ヒアルロン酸を注入する技術が不足している
そもそも、ヒアルロン酸豊胸は、まんべんなく少量ずつ注入する技術が必要です。
注入方法に問題があると、しこりができてしまうのです。
ヒアルロン酸を大量に注入している
ヒアルロン酸は一度に多くの量を注入できません。
そのため一般的な病院・クリニックではヒアルロン酸を注入できる量に上限を設けており、1カップアップが目安にされています。
基準をオーバーしてヒアルロン酸を大量に注入すると、ヒアルロン酸が体に吸収されるよりも早く厚い粘膜ができ、硬いしこり化してしまう恐れがあるのです。
ヒアルロン酸を繰り返し注入している
繰り返しヒアルロン酸を注入すると、前回注入したヒアルロン酸を注射針で傷つける・破る可能性があります。
流れ出したヒアルロン酸は、しこりになってしまうでしょう。
ヒアルロン酸の質は豊胸には向かない
ヒアルロン酸の質は豊胸には向きません。
この場合、ヒアルロン酸は通常の価格よりも仕入れ価格が安価であると思われます。
豊胸に向かないヒアルロン酸を使用する医師は、そもそも豊胸のスペシャリストではありません。
そもそも手術に使われたヒアルロン酸が豊胸に向かないもの(ヒアルロン酸の架橋の程度が強いのも、言い換えれば、吸収されにくい物)である場合、触り心地が硬くなるだけでなく、しこりができるリスクも高まります。
標準的な価格よりも安価なヒアルロン酸手術をしている病院・クリニックは、ヒアルロン酸の仕入れ価格が安いので、患者様に気付かれない部分でコストダウンしている恐れがあるため、注意しなくてはいけません。
もし、そのような病院・クリニックを選ぶ場合には、コストダウンを可能にしている理由を確認する必要があります。
一般的には、触り心地が柔らかく高性能なヒアルロン酸ほど、手術代金も高額になります。
ヒアルロン酸豊胸を受ける側にアレルギーという体質的な問題がある
ヒアルロン酸豊胸を受ける側にアレルギーという体質的な問題があります。
ヒアルロン酸分子の架橋剤へのアレルギー反応が強く出る方がいます。
本来ヒアルロン酸は、体内に存在する成分であることから、アレルギー反応が起こりにくいと言われていますが、架橋剤を含めたヒアルロン酸としての“物質” に対するアレルギー反応には個人差があるのです。
ヒアルロン酸を科学的に修飾する架橋剤がヒアルロン酸に対する吸収を遅れさせることから、注入したヒアルロン酸の周りに皮膜が形成され、しこりに変わってしまいます。
手術後に痛みを感じる
ヒアルロン酸は固体なので液体のように組織に馴染んで、注入されます。
固体なので、組織を引き裂いて、注入します。
したがって、ヒアルロン酸注入時には局所麻酔が必要です。
ヒアルロン酸豊胸は手術中に麻酔を使用するため、痛みを感じ始めるのは手術後になります。
多くの場合、筋肉痛のような痛みが1週間程度続きます。
痛みが強い場合には、感染・炎症を起こしている恐れがあるため、早めに医療機関を受診しましょう。
腫れ・内出血してしまう
手術後は麻酔の影響で胸が腫れる方が多く、腫れが引くまでには1〜3週間かかります。
同じように内出血が起こることもありますが、こちらは止血剤の内服が必要です。
ヒアルロン酸豊胸はプチ豊胸と言われるぐらい簡単にできる方法ではありますが、それでも、術後の影響は出てしまうのです。
施術可能な胸のサイズが限られる
先ほど説明したように、ヒアルロン酸は大量に注入できないため、サイズアップの限界があります。
1カップアップが目安になるため、2カップ以上バストを大きくしたいと考えているのなら、別の豊胸手術を考えるべきでしょう。
一般的に2カップ上げたいという方は脂肪再生豊胸か、シリコンバッグ豊胸を選択するのが良いでしょう。
デコルテの改善は難しい
ヒアルロン酸豊胸のメリットには、胸の形を整えられるという特徴があります。
しかし、鎖骨の真下であるデコルテは脂肪が少ないため、デコルテ自体をふっくらとさせることは難しくなります。
胸の上部にハリを持たせることはできるので、胸のリフトアップは可能です。
持続期間が短い
ヒアルロン酸豊胸はプチ豊胸と呼ばれるほど持続期間が短いです。
具体的な持続期間は1〜2年間であり、突然胸が小さくなるのではなく、少しずつ元の大きさに戻っていきます。
しかし、1〜3ヶ月で、豊胸前のサイズになってしまうことも多いと思います。
1〜3ヶ月程度の早い段階で「胸が元通りになってしまった」と感じる方がいるのも事実です。
引き続き理想のバストを保つためには、再度豊胸手術を行う必要があるでしょう。
ヒアルロン酸豊胸は、その他の豊胸手術に比べると費用が多少抑えられるものの、数カ月から数年おきに豊胸手術を繰り返すことになると結果的に高くついてしまう場合もあるので注意が必要です。
グラム陽性球菌による細菌感染が起こる
非常に稀なトラブルですが、手術中にグラム陽性球菌が体内に入り込み、細菌感染から炎症を起こしてしまうことがあります。
抗生剤の点滴や内服では改善できず、注入したヒアルロン酸を取り除かなくてはいけません。
マンモグラフィー検査が受けられなくなる?超音波断層検査で癌が発見できにくくなる?
マンモグラフィー検査は、乳がんなどの病変を見つけるため
に行われます。
検査の経験がある方は分かると思いますが、マンモグラフィー検査では強めに胸を圧迫しなくてはいけません。
問題は、それだけでなく、乳腺小葉の偏在が生じる可能性があります。
そのため、検査時の圧力でヒアルロン酸が潰れてしまう可能性があり、基本的にヒアルロン酸豊胸後はマンモグラフィー検査を受けられなくなります。
マンモグラフィー検査では強めに胸を圧迫しなくてはいけませんので、検査技師が検査を嫌がることが多いように思われます。
マンモグラフィーの読影では、乳腺の石灰化、乳腺小葉の対称性から乳癌の可能性を判断します。したがって、乳腺小葉間にヒアルロン酸が存在すると、癌の可能性があるとして、精密検査を要する結果になってしまう可能性があります。
超音波断層検査では、ヒアルロン酸と正常組織の境界周辺での、小さな癌が見逃される可能性がありますので、最近は、ヒアルロン酸を大胸筋筋層に注入していることが多いようです。
どうしても癌検査を受けたい場合には、医療機関に相談が必要でしょう。
まとめ
ヒアルロン酸豊胸のデメリット・リスクを紹介しました。
ヒアルロン酸豊胸のいい病院・クリニックを探すときに、施術前後にバストの超音波断層検査をする病院・クリニックはお勧めです。
施術後に、ヒアルロン酸の状態や、バスト効果の検討も行ってもらえるので、安心できます。
ヒアルロン酸豊胸は日本でしか、行われていません。
また、そもそもヒアルロン酸の質は豊胸には向いていないため、他の豊胸術に目を向けて見るのもおすすめです。
特に、自身の胸自体を大きくする脂肪再生豊胸であれば、安心して豊胸することができます。